こんにちは。透析の部屋です。
本日は、透析患者さんに自宅で行ってほしいこと~体重と血圧測定~についてお話ししていきます。
透析患者さんは透析が導入となっても入院ではなく基本的には自宅から病院に通院するという形になります。透析を受けながら日常生活を送るために行ってほしいことを本日は3つお伝えできればと思います。
体重を測定する
透析間の体重が5%以内に抑えられるように、体重測定の習慣をつけてほしいです。
ご自宅に体重計がない方はぜひ、用意していただき「自宅で体重測定をする習慣」をつけていただければと思います。透析では体にたまった水分を除去しますが、その際どのくらいお水を引くのかは透析前の体重から計算します。また、どのくらいなら具合が悪くならずに引けるのかを考えるときにも透析前・後の体重は基本の情報になります。つまり透析患者さんにとって体重はとーっても重要な情報です。
透析間の体重増加の目安は5%ですが、以前もお話しした通り、耐えられる除水量には個人差があります。5%より引けるひともいれば5%引けずに具合が悪くなってしまう方もいます。どの程度除水ができるのかは透析をする中で少しずつ分かっていきますので、いずれは目安ではなく「自分の増加量」が分かってくると思います。自分の増加量が分かれば、体重を測定することでどの程度余裕があるのか、あるいは少し多いのかが自宅で把握できるようになります。
血圧を記録する
以前もお話ししましたが、透析患者さんは高血圧の方が多いです。
血圧は体内の水分量に影響されますが、24時間働く腎臓と比べて透析患者さんは透析前に水分が溜まっていき、透析により一気に水分が除去されるという特別な体内サイクルとなるため、血圧も透析前にピークになり、透析後に低下します。
そのため、DWの調整はこの血圧の波に合わせて、高すぎず、かといって低すぎでもなく生活できるいい塩梅を狙う必要があります。しかし透析中の血圧だけで判断するには情報が少なすぎるのです。
透析後の低下した血圧や、透析前に高くなる血圧も、この血圧の波の大部分が透析室ではなく自宅で起きているためです。
そのため、自宅で血圧を測定して記録してもらうことがいかに貴重な情報になるかお分かりですね。また、自宅で体調が悪かったときや、イベントなどがあったら一緒に記録してもらうと振り返りにとても役立ちます。
中にはエクセルなどで自作の血圧記録を使っている方(とっても見やすいです)もいますが、血圧手帳は透析室のスタッフに声をかけてもらえばお渡しするので血圧を記録されていない方はぜひ記録してみてください。
参考までに血圧の測定方法です。ですが、何より継続が重要です。
- 朝 、 晩
- 静かで適切(暑くも寒くもない)な室温で、
- 測定前に飲酒やカフェイン、喫煙をしない
- 椅子に座り腕を心臓の高さに合わせる
- 1~2分安静にしてから測定する
お通じの状況を把握する
透析で水分を除去することや、水分を控えたり、野菜を控えるようになるなど透析患者さんは食事療法からどうしても便秘になってしまいます。慢性的な便秘を抱え下剤を飲んでいる方も多いです。
お通じは体の外に不要なものを出すためのもので、透析患者さんにとっても同じです。カリウムやリンを下げるお薬は作用的に吸着して便と一緒に出すものなので便秘が続くとカリウムやリンなどが高くなることもあります。
便秘が続くときや、スタッフからお通じの状況を聞かれたときに伝えられるようにしておくとよいと思います。血圧手帳の備考欄などに記録するのも良いかと思います。
本日は以上となります。参考になれば幸いです。
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