透析治療を受ける透析患者さんにとって、治療後の適切な止血は非常に重要です。ここでは、止血のポイントについて分かりやすく説明します。
止血とは
透析治療中は、血液を体外に出して浄化するために血管にアクセスする必要があります。治療が終わると、そのアクセスした部分からの出血を止めるための手順が「止血」と呼ばれます。止血を怠ると、出血が続くだけでなく、感染症のリスクやアクセス部位の合併症を引き起こす可能性があるため、適切な止血が不可欠です。
止血の基本
止血の基本的な方法は、圧迫によるものです。透析が終了した直後、透析スタッフは通常、針の挿入部分に圧力をかけることで血液の流れを止めます。透析患者さん自身が止血を行う場合には、以下の手順を守ることが大切です。
- 圧迫部位の確認: 針が刺されていた部位を正確に把握し、その上から圧迫します。圧迫は、出血している穴がしっかりと塞がるまで続ける必要があります。
- 適切な圧力: 圧迫は強すぎず、弱すぎずに行うことが大切です。強すぎると血管にダメージを与えることがあり、弱すぎると止血が不十分になります。自分の感覚で適切な圧力を見つけ、必要に応じて透析スタッフに相談してください。
- 圧迫時間の守り: 圧迫は一定時間続ける必要があります。この時間は、透析患者さんの血液の凝固状態や血管の状態によって異なるため、個々に指示された時間を守ってください。
止血時の注意点
- 血圧の変動に注意: 止血時には血圧が上昇しやすいため、リラックスして安静に保つことが大切です。
- 清潔な環境を保つ: 止血部位は清潔に保ち、感染のリスクを避けるために、無菌のガーゼやバンドを使用してください。
- 血液の凝固を助ける: 止血を助けるためには、十分な水分を摂取し、医師の指示に従って必要な薬を使用することが重要です。
- 定期的な検査: 血液の凝固に影響を与える薬を服用している場合は、定期的な検査を通じて、凝固状態をチェックすることが勧められます。
止血後の対応
- 圧迫部位の観察: 圧迫を解除した後も、しばらくは出血がないかを観察します。万が一出血が続く場合は、再度圧迫を行い、必要に応じて透析スタッフや医師に相談してください。
- アクセス部位の保護: 止血後はアクセス部位を保護するために、適切なカバーをしてください。また、重いものを持つなどの負担をかける行動は避けるようにしましょう。
- 症状に注意する: 止血後に痛みや腫れ、赤みなどの症状がある場合は、感染や血管の問題のサインである可能性がありますので、早めに医師に相談することが重要です。
適切な止血は、透析患者さんが透析治療を安全に続けるために非常に重要なプロセスです。上記のポイントをしっかりと把握し、毎回の透析後に正しい手順で止血を行うことで、透析患者さんはより安心して治療を受けることができます。自己管理の一環として、これらの手順を覚えておくと良いでしょう。また、不明点や心配事がある場合は、遠慮なく透析スタッフや医師に相談しましょう。
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