こんにちは。透析の部屋です。
本日は、透析中の高血圧についてお話ししていこうと思います。
以前、透析中は除水に伴い血圧が低下するとお話ししましたが、「逆に透析中に血圧が上昇していく」方もいます。
本日は透析中に起きる高血圧についてお話ししていこうと思います。
血圧が高くなる原因は？
まず、透析開始から終了まで一貫して血圧が高い場合はDWが高すぎる場合があるので調整します。
透析間の体重増加が多すぎる場合も高血圧となります。塩分を控えて水分を摂りすぎないようにして体重増加を5％以内になるように調整します。
増加を抑えるのが難しい場合には、非透析日に血管を拡げるタイプの血圧を下げる薬を内服してもらい、透析中に血圧が下がりすぎない範囲でDWを下げるといったこともあります。
神経の興奮によって血圧が上がる。自律神経は「交感神経」と「副交感神経」の2つの神経で成り立っていますが、この2つの神経はどちらも血圧の変化に関係しており、交感神経が優位になると血圧を上昇させます。透析室に入ると血圧が上がるという方はこの要因もあるかと思います。なるべくリラックスして（といっても難しいかもしれませんが）透析を受けられるようにします。私の勤める病院では、景色が見えるように窓側がよいという方や、逆に冷えるので窓側は止めてほしいという方もいてベッド配置を検討しています。また、精神的な緊張を緩和するお薬が処方される場合などもあるのでぜひ相談していただき、ご自身がなるべく我慢せずに透析できるように変えられるところは変えていきましょう。
そして、透析中に血圧が上がる方で最も疑問に思われる原因が
血圧を調整する機能の過剰反応
以前も「透析患者さんへ詳しく解説。腎臓の４つのはたらき。その２」でお話ししましたが、腎臓には血圧を上げる作用がもともと備わっています。これはレニンと言われるホルモンで、これが除水や透析液など透析によって刺激され、過剰に分泌することで末梢血管の過度な収縮や心臓の拍出量が増えることで、「除水とともに血圧が高くなっていく状態」になります。
透析中の血圧上昇が軽度の場合は頭を高くして足を低くする体位調整で様子をみます。
血圧上昇が高度であれば、DWがあっていない可能性や心臓の機能に問題がないかを検査で除外して内服薬を調整します。透析開始2～4時間前に血圧を下げる薬を内服することで透析中の血圧を調整する場合もあります。
以上になります。参考になれば幸いです。
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