PTH(副甲状腺ホルモン)とは?
透析患者さんの副甲状腺ホルモン(PTH)の目標値については、「35~150pg/mL以下」とされています。これは、低カルシウム血症が続く場合に副甲状腺から分泌されるホルモンの量で、骨からカルシウムやリンが溶け出し、骨がもろくなる状態を示します。初期には内服ビタミンD剤でPTH値が改善されることがありますが、長期透析により二次性副甲状腺機能亢進症を合併することもあり、その場合は以下の投薬治療が行われます。
二次性副甲状腺機能亢進症の治療薬には、以下のものがあります:
- シナカルセト(レグパラ):経口薬で、副甲状腺ホルモンの過剰分泌を抑制します。毎日服用が必要で、食事との関連で吸収されるため、服用タイミングが重要です。
- エボカルセド(オルケディア):新世代の経口薬で、シナカルセトの副作用を軽減することが期待されています。
- エテルカルセチド(パーサビブ):透析中に静脈注射で投与される薬で、自宅での服用を忘れるリスクがありません。
- 薬の役割:
- 副甲状腺ホルモンの過剰分泌を抑制し、骨や心臓の健康を守ります。
- なぜ使うか:
- 腎機能の低下により起こる骨の問題や心臓のリスクを減らすため。
- 効果の確認方法:
- 定期的な血液検査でPTH(副甲状腺ホルモン)のレベルをチェック。
- 注意点:
- 副作用や他の薬との相互作用に注意し、医師の指示に従うこと。
- 内服薬と注射薬の違い:
- 内服薬(例:シナカルセト、エボカルセド)は自宅で服用が可能。
- 注射薬(例:エテルカルセチド)は透析中に静脈注射で投与。
- メリットとデメリット:
- 内服薬は服用忘れのリスクがあるが、自宅で管理可能。
- 注射薬は自宅での服用忘れがないが、透析センターでのみ投与。
選択は患者の生活スタイルや状態に応じて行うことが重要です。
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